ようこそ,北大・乳幼児発達論研究室へ!
私たちの研究室では,子どもの発達と,その子どもが生きるコミュニティの発展とを一体的に理解する枠組みを共同探究しています。教員,大学院生,そして学部生までを含めた,異年齢・異学年協働による研究室運営を行っています。
境界に創造あり
学問や実践が専門的になればなるほど,領域は細分化され,互いが何をしているのか見えなくなってしまうものです。私たちの社会は,至るところ壁だらけです。狭い範囲で仕事をしていれば,安心かもしれません。しかし,子どもの生活や教育の営みは,時間的・空間的な広がりをもち,すべてがつながっているものです。そのことを無視して,発達と教育の研究はできないと考えます。学問と学問の境界,科学と実践の境界,定型と非定型の境界,学校と社会の境界,校種間の境界など,私たちが生きる上ではつながっているはずの<境界>に立ち,そこで生じる緊張関係をとらえてこそ,創造的な研究が生まれるのではないでしょうか。
異種混交の学びの場
私たちの研究は,発達心理学を基盤とするアプローチです。しかし,研究室メンバーのバックグラウンドは多彩であり,発達心理学の他,保育学,臨床心理学,障害児教育学,体育学,社会教育学等の分野で基礎的な学習を積んできた人が集まっています。また,現職の実践者や他大学の教員として仕事をしながら研究を続けている人が多いのも特徴です。タテの異年齢・異学年関係のみならず,多様な関心と背景から生まれるヨコの連帯,そして,タテとヨコが掛け合わされたナナメの結びつきにより,研究室コミュニティとしての学びが豊かになることを期待しています。
広い視野で,息の長い子ども研究を
現代社会では,子どもの発達や教育をめぐる実践的課題が山積しています。そのため,すぐに「役に立つ」研究がもてはやされる風潮があります。もちろん,私たちも日々の現場の課題に協働して向き合うことを大事にしていますが,性急な判断や理論的な深度のない理解は,問題をいっそう根深くし,学術としての社会的責任を軽んじる結果にもなりえます。そこで,長い目で見て実践や社会の発展に寄与する研究とはどのようなものかという問いにも,耳を傾ける必要があります。何より,発達と教育の研究は,子どもたちと,その子どもたちが生きる未来の社会がよりよいものになることを期待して営まれるものです。そうした営みは,価値中立的なものであるはずがなく,私たち子ども研究者には,いつも自らの拠って立つ子ども観や発達観,そして社会というものに対する考え方を内省しつづける心の習慣が求められるといえるでしょう。
当研究室に関心をお持ちの方は,kawata<a>edu.hokudai.ac.jpまでご連絡ください。(アドレスは,<a>を@に代えて送信してください。)
2023年度
現在大工事中。